4月28日 さようなら


朝5時過ぎ、目が覚める。別に寒いわけでもないし、熟睡しきった時間でもないけれど微妙に目が覚めていた。それでも5時40分過ぎまで車の中で過ごす。今日も晴れ。岩手山がくっきりと見える。いつのまにかもう一台車が来ていて踏切へと続く道端に止めていた。5時40分、車を出る。やはり少し、寒い。首をすくめて場所を探す。あまり線路に近づきすぎると岩手山が入らなくなるだろうし、ちょっと離れただけでは今度は「はくつる」が尻尾まで入らない可能性があった。5時55分ごろ、遠くから汽笛が聞こえてEF81に引かれた「はくつる」がやってきた。岩手山を入れないで一枚。すぐにレンズを引いてもう一枚・・・・あ!尻尾まで入らない!(爆) 結構長い。仕方がないので尻尾の方だけもう一枚(何の意味があるんだ?)

終わった。全て終わった。
センチの撮影も、列車の撮影も。

「終わったぁ!」と小さく叫んでぴょんと飛び跳ねると車に駆けて戻る。さすがに長くなりすぎると中だるみはした気がしたが、やはり「終わる」となると感慨が深い。

それでも車をすぐに出した。

フェリーの出る八戸に向かう。フェリーの出港は8時45分である。しかし、車の巡航スピードが尋常ではない。前にトラックがいるのが遠くから見えたが結構な速度を出しても全然追いつかない。そのうち後ろからトラックがやってきた。まじ!? 国道4号の最高地点がある十三本木峠を90km/hで駆け上がる。間に合わないと知りながら「はくつる」を追いかけてみたい心境もあった。でも事故の目撃もしているので無理な運転は避ける。早朝の国道4号はかなり速いペースで皆走っていた。それでも「はくつる」には絶対に追いつけそうになかった。「遅い客車列車&寝台特急」とは言ってもさすがに特急列車だけのことはある。国道では八戸手前でやたらめったら遅い車がいたりした。

八戸市街に突入。入ったところは、先日高速を降りたところと似たような場所だったので、案内標識を見なくても曲がるところは快調に曲がって進んでいく。迷いなく市街で運転をしていると、少しでも地元民見たくなれるので好きである。そうしてフェリーターミナル到着。7時半であった。

乗船名簿に記入し、先日ネットで予約した番号も記入する。窓口に並び発券してもらう。ネットで予約した際にカードで切っているので、支払は無し。カード提示も無しでスッキリしている。8時から乗船開始ですというので「車の乗船締め切り時間は」と聞くと、「あまり遅くなると乗れません。8時に来ていただかないと」と教えてくれなかった。とりあえず若干時間があるのでちょっと手前にあったローソンへ向かう。なんと言っても朝ご飯を食べていない。しかもフェリーの中の設備は「オートレストラン」(レストランとは名ばかりの冷凍食品自動販売調理器が並んでいるだけ)であるというのを先日乗ったときに知っているのでますます買わなくてはならない。

フェリーターミナルに戻ってくると8時ちょい過ぎ。乗船位置に並ぶが遅々として進まない。20分過ぎにようやく乗船。展望風呂に入りたかったので風呂道具とノートパソコンと「キャッスルファンタジア〜エレンシア戦記〜」を持って(爆)船室に向かう。え?だって「船といえばエレンシア戦記!」でしょ?(爆)

うまくすぐ脇にコンセントのある場所を見つけて確保。出港の合図が聞こえてきたので最後の本州だとデッキに出た。デッキにずーッといると「大阪の浪人生」を名乗る青年が声をかけてきた。「北海道まで気分転換のサイクリング」だそうで、凄い。「友人が宮城まで自転車で来たと言うから、それを抜く意味で北海道に行く」そうである。一日平均170km走っているそうで、八戸まで一週間ぐらいで来ているそうである。昔私も東京から北海道まで自転車で帰ったことがあるが(「北海道自転車帰省記」)、あの時は浦和から茨城県大洗までこいだだけであった。それから比べると立派としか言いようがない。しばらくいろいろな話をした。

そのうち船室に戻る。昨日の睡眠時間が少なかったこともあったので眠くなってきた。食事と風呂を後にして少し睡眠・・・・・・・・・。

時計を見る。13時20分。到着予定が15時45分だから14時ぐらいに風呂に入ろう。だからもう少し睡眠・・・・・・・・・・。

時計を見る。13時20分。う〜ん、もう少し・・・・・・・・・。

「本船あと30分ほどで苫小牧港入港です。」

まじ!?時計を見ると・・・・・・・13時20分!止まってるっ!!(爆)

最後に来てK-BOOKSで買った「杉原真奈美プレシャスウォッチ」が止まってしまった。パンパンと叩くとまた動き出した。うぅ、結局展望風呂に入れなかったし、ご飯も食べてないし(30分あったら食べろよ)、キャッスルファンタジアも出来なかった・・・・・・・(TT)

デッキに出て苫小牧港入港を見る。まもなく接岸という時間まで見ていたが、「お車の方は車両甲板にお越しください」という放送を聞いて接岸は見られなかった。

ついに、車と共に北海道に帰ってきた。

帰ってきてしまった。

一応、センチの背景を周り終えた。まだ残りはあるが、一つの区切りがついた、そんな感じか・・・・。
 

まだ4時前だし、下道で帰っても良かったのだが、苫小牧からだと札幌市内を横断する形になるし、なにより早く帰りたかった。いろいろ、片付けなくてはならないものがあるし・・・。
ということで、高速。苫小牧東インターから入って飛ばす。道央自動車道から札幌新道に入り、最寄の新川インターでおりる。家に着いたのは5時ちょっと過ぎであった。

総走行距離7,024km。53泊54日という前代未聞のスケールで行われた「センチメンタルジャーニーにっぽん縦断〜背景を探せ!〜」はここに幕を閉じることになったのです。

おわり