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松山日帰り紀行
〜全日空一日乗り放題体験記(?)〜

2月1日、夜勤の会社から帰ってきたのが未明4時半であった。出発予定の時間まで1時間。

1月1日元旦に頑張って電話をかけて一日乗り放題でなんとか札幌−羽田−松山の二区間乗り継ぎ往復を予約できたのだが、やはり電話がなかなか繋がらなかったために千歳出発が10時発という遅い時間しか取れなかった。その予約の時に「出発当日空港で空席があるときに限り前の便に変更が出来ます」と言われたので、なんとか始発便に変更しようと思ったのである。そのためには自宅を5時半に出ないと、空港の開く時間に間に合わない。

だから急いで出ないとならないのだが、前日晩に今konさんと携帯メールでPCゲーム「プリンセスホリデー」のシルフィーシナリオをクリアする。という話をしていたので、出発の準備をしながらプリホリをしていた。しかし、全てを既読スキップで進め、しかも二回したにも関わらず、フィーシナリオはクリア出来なかった。時計は6時を指したので仕方なく家を出る。

家を出てちょっと走ったところで車に積もった雪を落とす。昨日の午前中から降り出し、ヨドバシカメラに1月31日発売のCadathのPCゲーム「DAパンツ!!」を買いに行った時にピークを迎えた雪がまだ車にべっとりとこびりついていた。

雪を払い落とすと準備完了。自宅最寄の新川インターへと向かう。新川インター入口で「新川−札幌南IC間凍結50km/h規制」と出ていた。これはヤヴァイ。

それでもこの高速経由が一番早いので高速に乗る。車は規制速度の50km/hで走っているものは無く、大体みな70〜80km/hで走っている。四駆でない私も頑張ってそれぐらい出して見る。

道路は完璧なブラックアイスバーン状態でかなり危険である。

それでも何とか札幌南インターに到着。そのまま北海道縦貫自動車道(道央道)へと入る。ところが道央道も50km/h規制である。恐る恐る80km/hで走るが、夜勤明けで寝ていないので眠たい。実に危険な状態であった。

その脇を「新千歳空港」と行き先を表示した北都交通のバスがやってきて思いっきり抜いていった。「思いっきり」と書きたくなるくらいかなり早い。凍結路面なのに100km/hは出ていそうであった。夏と同じダイヤで走らされているのかもしれない。大変だ。

なんとか新千歳空港には7時10分に到着。家を出て1時間と10分である。かけていたMD「家族計画」は丁度エンディング曲になっていた。


降りしきる雪の中何とか駐車スペースを見つけ止めると、駆け足でカウンターへと向かう。全日空カウンターは案の定混んでいた。やはり乗り放題の客が多いのだろう。自動チェックイン機は凄い混雑である。発券がまだ済んでいない私は、有人カウンターに並んだが、隣の自動発券機はかなり空いている。「無理かな?」と思いながら、自動発券機にマイレージカードを入れてみると、発券できそうだ。次々に乗る予定の飛行機が出てきて、席番を決めていく。羽田から千歳に戻ってくる73便だけ窓側が埋まっていたが、それ以外は窓側が指定できた。

発券が終わるとすぐに案内カウンターに向かった。そこで「50便の空席待ちをしたい」と告げると、「前に10名様ほど空席待ち希望のお客様がいらっしゃいますがよろしいですか?」となり、あっさりと「10」の番号で空席待ち券が発券された。

その券を持ち、指定された空席待ち呼び出しカウンター17番へ向かう。隣はエア・ドゥの発券カウンターで凄い行列だ。STVのカメラなど報道陣が多かったので、「乗り放題の取材かな?」と最初は思ったのだが、これはエア・ドゥと全日空が今日から始めるコードシェア便の取材であることがわかった。

降りしきる雪の影響で羽田行き50便は25分遅れの出発と告げられる。50便が定刻運行なら松山行きの一本早い便に乗れたのだが、それは無理になりそうだ。

空席待ちの私たちへの案内は7時35分からと案内されていたのだが、飛行機自体が遅れるので7時55分からになった。

7時55分になるとちょこちょこ空席が案内されていく。ANAの搭乗回数サービスの人が先に案内され、続いて一般運賃の人たちが案内されていく。どうなるかな、どうなるかな?と見ていると、カウンターの男性社員が、「この3席使いたいんだけど・・・」と話している。それを使うと私に回ってきそうだ。

「スーパーシートに空席がございます。追加料金がかかりますが・・・・。」

前の女性が手を挙げた。私も手を挙げた・・・。

カウンターで4,200円を支払って東京行き始発50便の空席が割り当てられた。その時に「定時で飛ぶと松山行きに乗り継げるのだが・・・」と申し出たが、やはり「この遅れですと乗り継ぎはかなり厳しいかと思います。松山行きも満席で空席待ちの状態ですので・・・」と断られた。私のところで空席は終わり。何人か順番から抜けたようだったので、6、7人ぐらいだと思う。やはり空港が開くと同時に入って申し込めば、一般席で空席待ちも可能だったのだ。

「松山行きは満席」と言う事であったが、携帯のiモードで空席を照会して見ると、一席だけ開いていた。今からでも予約できる。「一席だけど空いてるぢゃん。」と思いながらゲートをくぐった。

飛行機の中で飲み物も出るし・・・、と考えて、ドリンク類は買わない。8時15分ぐらいから搭乗が始まった。


割り当てられた座席「3C」に座る。一階席である。さすがにスーパーシートだけあってシートピッチに余裕がある。

誘導路が凍結していると言う事でゆっくりと進んでいく。

そうしてなんとか離陸した。

しかし、前日から徹夜ということで離陸する瞬間は半分寝ていた。

気が付くと機内サービスが始まっていた。朝出発便ということで朝食が出る。「あ、スーパーシートでよかったな。」と思った。4,200円の朝ご飯はそれでもちょっと高いが。

和食と言う事で、ドリンクに日本茶を所望する。隣りの男性は「ビール」と言っている。なるほどスーパーシートはビールが無料か。

売店で売っている弁当よりも結構ボリュームがあった。なかなか美味しかった。

その後時間が出来たので、カバンからノートパソコンを引っ張り出した。以前はよく旅行先に持っていったのだが、使用頻度に対する重さが釣り合わないので最近は持っていかなくなっていた。今回は「松山日帰り(笑)」と言うことで荷物が軽いので、パソコンを持って出たのである。ただし、最初からこの紀行文を書く為専用と考えていたので、内臓CD−ROMドライブを外して軽量化している。

起動させるとゲーム「バイナリィ・ポット」のアイコンがちょこんとあった。「バイナリィ・ポット」はフルインストールされているのでCDがなくても起動する。飛行機内でプレイする事も出来るが、さすがにそれはしない。

「まもなく着陸態勢となります。機内サービスはまもなく終了させていただきます。」と放送がかかったあと、やってきたフライトアテンダントに「ドリンクいいですか?」と聞いてみると、「ええ、一向に構いませんよ」みたいな返答が返ってきた。エコノミークラスでは聞けない丁寧さだった気がする。

パソコンを使っていると、フライトアテンダントさんがやってきて、私の隣りの客に「羽田で伊丹行きに乗り換えて、伊丹から沖縄行きに乗り換えですよね? 遅れておりますが、千歳の地上係員はなんと言ってましたか?」と聞いている。それによると千歳の地上係員は「とにかく乗ってくれ」みたいなことを言ったらしい。

それから「電気、電子機器の御使用は・・・」と放送がかかるまでパソコンを使いつづけていた。

遅れているためその後の乗り継ぎ案内も放送される。降りた所にそれぞれの行き先別に地上係員がいるのでその人の案内を受けて欲しい旨放送された。今日は一日乗り放題の日なので、乗り継ぎ予定客は多いだろう。たくさん乗り継ぐ予定の人とかはどうするのだろうか?

かなり遅れて羽田空港に到着。行き先のプラカードを持った地上係員がいる搭乗橋を抜けて、ロビーに出る。すぐに降りるのもなんだったので出発状況を見てみる。やはり松山行きは出発した後のようだ。

仕方がないので安全地帯を抜ける。50便の到着は10時06分になっていた。続行962便は10時20分着だった。962便に空席があれば乗れたはずで、「どっちがよかったかな・・・」と考えるところである。

とにかく2時間の時間が開いた・・・・。となれば出る!!

北星は羽田で2時間という厳しい状況下でも出てしまうのである。

とにかく「コミケ記念」の「パスネットかもめカード」を持ってきているので、京急に乗って品川を目指す。10時21分発特急印西牧の原行き。やってきたのは都営5300型(こればっかし)であった。

その電車で品川に到着。京急改札を抜けて改めてJR品川駅の券売機でオレンジカードを使って御徒町までの乗車券を買った。御徒町には学生時代よく行った模型店「D−51」がある。

京浜東北線の快速電車に乗り秋葉原を目指す。アキバで降りるのではなく乗り継ぎ駅だ。「車内での携帯電話の御使用は・・・」という放送を無視してiモードで乗り換え案内を開く。松山行きの出発時刻が12時15分なので羽田空港到着時刻を12時05分に設定して検索する。すると、品川からエアポート快特羽田空港行12時04分着というのが見つかった。エアポート快特は前の改正で無くなったと思っていただけにびっくり! 続いてヤフーモバイルで「京浜急行」を検索し、携帯用の京急サイトを開いて本当にエアポート快特が出ているかどうか調べた。するとやっぱり出ている!

よし、それぢゃこれに乗ろう!!

と、京浜東北線車中で決定。そうなると御徒町は11時24分に出ないとならない。現在時刻は既に11時近くなってきている。やっぱりかなりキビシイね・・・。

アキバで乗り換えて山手線で一駅御徒町で下車。そのまま駆け足で「D−51」へ向かった。

紫色の多慶屋のビル(昔は金色のゼアのビルだった)の間を抜けて細い路地に面したところに「D−51」がある。入店。

鉄道模型は25%引きで消費税がかからないため首都圏では最も安い店舗に入るのではなかろうか? ナニを買うかなぁ・・・と品定め。先週「さくらや」で売り切れていたKATOのフィーダー付き線路はやっぱり売り切れ。ショーケースの中にキハ200系「なのはな」も置いてあったが、JRの車両は買わない。「キハ54−500」の文字が見えて、「おっ!GMの新製品か?」と思ったが、残念ながら東京堂の製品であった。TOMIXから発売予定の「熊本電鉄5000型 ワンマン仕様」も未だ発売されていない。

結局KATOの「密連型KATOカプラー ジャンパ栓付き」と「カプラ−スプリング」を購入。先に来ていた紳士がHOのED75を購入精算していた関係で、若干遅れた。それでも余裕を持って買い物を終了。御徒町駅に戻った。

御徒町から山手線に乗って一駅秋葉原まで出る。ここで乗り換えるわけだが、時間に余裕があったので京浜東北線の電車を一本逃してしばらくアキバのホームで佇む。さすがに10分チョイしかないので降りれない。それよりも切符を既に京急線経由羽田空港まで買っている。「D−51ぢゃなくて、駅前のK(−BOOKS)にでも行けばよかったかな?」などとよろしくないことを考える。さすがに時間がなかったのでソフマップやホビーランドぽちは無理だっただろう。

いつまでもアキバの駅ホームにいてもつまらないので、一本早い京浜東北線で東京まで動く。東海道線の電車にいいのがないかと思ったが、国府津行きも熱海行きも発車まで時間があった。「山北行」というなかなか味のある行き先の電車もまだしばらく先。諦めて京浜東北線で品川に向かった。

品川から京急線に乗り換える。検索どおり「エアポート快特」がやってきた。また5300型。一番後ろの車両に乗る。羽田空港は一番後ろにしか階段がない。

さすがに昼前の時間だからか「エアポート快特」は空いていた。途中停車駅は蒲田のみ。羽田空港に行く電車が全部この停車駅だったら京急愛用するんだけどな。それぢゃ空港線の途中駅の人が困るよね。けれど品川とかで8分も待たされるのは嫌なんだよね。モノレールなら5分毎に出てるし。

定刻に羽田空港着。人身事故とか無くて良かった。駆け足で出発ロビーへと上がる。
 



松山行。羽田晴れてますねぇ(^o^)
 

12時15分発松山行きはなんとランプバスでの案内。乗り継ぎ待ちか私より遅い人もちょこちょこいて、若干遅れた。

機内の座席は少し翼にかかるものの窓側を指定していた。しかし、座席に行くと真ん中のB席に小学校低学年くらいの女の子がいて、通路がわに母親らしき人が座っていた。子供であれば窓側のほうがいいかな?と思った私は声を掛けた。結果窓側に女の子、真ん中に母親、通路側に私と言う席順になった。

席に座るとまた眠くなり、離陸はまたまた半分寝ていた。

気が付くとまたまた機内サービスを始めるところであった。ゆっくりとサービスを頂くと同時に、カバンからまたまた「旅のお供」となりかけている日糧の「しっとりあんぱん(こしあん)」を出す。昼食。

松山空港が近くなり、着陸態勢に入る。松山空港は初の利用で、窓外が気になった。ちらっと見てみると、おぉ!走ってる走ってる。伊予鉄。 なかなかいいね。2両編成の電車が走っているのを見るのはなかなか楽しい事だ。

結局松山行きではノートPCは取り出さなかった。


そうして松山空港に着陸。羽田の出発が遅れた上に「向かい風の影響」もあって、なんと着いたのは30分遅れ。ただでさえ短い松山の滞在時間がもっと短くなった。

ターミナルを出ると松山市駅行きと、道後温泉行きのバスが並んで止まっている。道後温泉にも久しく入ってないのでとっても行きたいのだが、やはり時間がない。当初予定通り松山市駅行きに乗る。いつもよりもバスの乗客が多いようで、出発時には立っている人も出た。一日乗り放題の影響だろうか。

ここで携帯に松山在住のまなぐらさんからメール! まなぐらさんとはしばらく会っていなかったのだが、先日メールをちょこっとだけやり取りしたのだ。ちょうど松山に着いたところだったのでタイミングは抜群である。ただ、松山に来る事を告げた自宅からのレスが遅すぎたためか会えなさそうである。

市街まで平坦だと思っていたらいきなりトンネルに二つ入ったのでびっくりした。まもなくしてちょっと混雑している市街に入り、JR松山駅前に着いた。ここで殆どの人が降りてしまった。直行だと思っていた後発の道後温泉行きもJR駅にやってきた。

丁度駅前を出る時に、目の前を「坊っちゃん列車」が走っていった。「坊っちゃん列車」とは、蒸気機関車型の機関車がちっちゃな客車2両を引っ張って走るというものだ。噂によると蒸気機関車に見えて実はディーゼル機関車と言う点と、高すぎると言う料金で不人気らしい。

JR駅前を出てバスは進む。駅前通をちょっと行ったところで伊予鉄郊外電車の高浜線の踏み切り。高浜線には大手町の駅がある。この辺から市内電車の道後温泉行きと併走した。大街道、上一万など懐かしい電停名が思い出される。

バスは無事に松山市駅前に到着した。

伊予鉄の松山市駅は駅ビルの中にある。駅ビルは「いよてつ高島屋」で、昔の「いよてつそごう」である。高松の「コトデンそごう」には天満屋が入ったが、松山には高島屋が入ったようだ。

松山市駅の改札前に行くと、次の電車は14時45分発である。ここからは高浜線高浜行き、横河原線横河原行き、郡中線郡中港行きの三方面に電車が出るが、どれも発車時刻が統一されているようだ。時刻は42分。乗るなら待った無しだ。そこでまず改札の駅員さんに時刻表を貰う。そうして自販機に自宅から持ってきた伊予鉄の「い〜カード」を差し込んでみた。このカードが使われるのは実に5年振りである。それでも磁気情報に異常なく、「投入金額 250円」と出てきた。行きたかったのは郡中線の地蔵町駅である。地蔵町までは350円であったが、250円区間と言うのがあったのでそのまま250円の切符を買った。

改札を抜けて地下道をくぐって郡中線ホームに行く。高浜線と横河原線は直通運転だが、郡中線だけは折返し運転である。

止まっていたのは元京王5000型の700型であった。他に伊予鉄には元京王2000型の800型、自社発注のステンレス車610型、旧型の300型が在籍している。しかし300型はここ2年ぐらい動いていないというのをネットで知っていた。

700型の車内に入ると、結構古臭さが目立った。一週間前には高松の琴電で同じ元5000型の1100型に乗っているが、そっちのほうが綺麗だった。というより京王時代から車内化粧板等の張替えをしていないようだ。

45分になり発車。ちょっとだけ高浜行きと併走したが、すぐに分かれる。郡中線は住宅街の中を抜け、県道らしき道と併走するというなかなか地方私鉄らしい線路を走っていた。

なぜ松山で、なぜ郡中線の地蔵町かと言うと、手元にある雑誌「鉄道ファン」に乗っていた「頑張っています大手私鉄の中古車たち」とかいう昔の特集の「京王編」の扉写真にその「地蔵町駅」が載っていたからである。写真を見る限りでは、対向式ホームのいい感じの駅に見えた。そこで「今作っているレイアウトセクションの参考にしたい!」と思ったのである。なかなかそれだけの理由で松山には簡単に行けないが、全日空の「一日乗り放題」を丁度良く使った、ということである。

松山市の次の土橋は小さな一面一線の駅。その次の土居田は島式ホームだが、ホームの上に駅舎があると言う変わった構造。余戸は一面一線で、土橋を出たあたりから併走していた県道とここで別れた。その先、鎌田、岡田、古泉、松前と止まっていく。途中には私のレイアウトの参考になりそうな景色も結構あった。確か松前の駅は、交換駅時代の名残をかなり残している駅だった。

「只今から車掌が車内に参ります。切符をお持ちでない方、乗り越しされる方はお申し出下さい。」と放送がかかり、車掌がやってきた。一番前の席で前面展望を楽しんでいた私は「ここで精算しよう」と思ったものの、車掌は私をチラッと見ただけで、一番前まで来る事はなく戻っていってしまった。・・・車内補充券欲しかったのに。

そうして待望の地蔵町に到着! ここで松山市行きと交換である。なるほどホームはコンクリートの近代的な構造。奥に車椅子対応であろうスロープが作られている。なるほど、なるほど。

写真を見て「駅舎は右側!」と勝手に思い込んでいたが、なんと左側であった。構内踏切を渡ったすぐ先に駅舎・改札口があるのは、一般中小私鉄の駅とほぼ同じである。

踏切を渡って乗ってきた郡中港行きの電車の写真を撮ろうと構えていたが、頭上から遮断機が下りてきて頭に当たり失敗。情けない。

委託のような駅員さんに切符と100円を渡して降りた。駅員さんは何も言わなければ100円足りない事に気が付かなかった気がする。




地蔵町4枚。
(上)地蔵町にやって来た松山市駅行きの700型電車。元京王5000系。(伊予鉄地蔵町駅 15:02頃)
(上中)郡中港行き電車。800型原型車。車体裾の絞りがない。元京王2010系。(伊予鉄地蔵町駅 15:17頃)
(下中)地蔵町駅。こじんまりとしている新しい駅。(伊予鉄地蔵町駅 15:06頃)
(下)そばの県道から地蔵町駅に続く「駅前通り」。めっちゃ狭い。(愛媛県伊予郡松前町大字北黒田 15:11頃)
 

降りてみると、地蔵町の駅は思っていたよりずーっと小さかった。駅前を通る道もかなり小さい。駅前には小さな雑貨屋が一軒ある以外は住宅である。踏切を渡った先に小さなスーパーらしきものが見えた。踏切の大きさもとても小さい。バスは通れない。

・・・・・やっぱり構内に一般道路の踏切がある場合はそこに面して駅舎を建てないとダメなようだ。

結局この駅は「想像以上に小さい」ということで、参考になったのはホームの造り程度であった。もう一回セクションの建物配置考えないとダメかな・・・・。 

JRは伊予鉄よりも海側かなと思い、海側方向に歩いてみる。すると県道らしき道路に出た。これが駅前通りか・・・かなり狭いな。県道沿いにも古い商店と住宅が並んでおり、書店に行って地図を確認したかったが見当たらない。さらに海側に歩いてみる。それと同時に携帯でJR予讃線の時刻を見てみる。しかし、伊予市発松山行きの電車はしばらく後までない。その電車だと飛行機に乗り遅れてしまう。松山市駅で貰った時刻表を見てみると、次の地あ町15時19分発の電車に乗っても松山市着は15時43分である。・・・・飛行機の発時刻まで47分しかないぢゃん!(爆)

海側に歩いていってもぜんぜん線路も踏切もないので諦めて地蔵町に戻る。

小さな駅で350円の切符を買って改札を通る。まず郡中港行きの電車がやってきた。800型。郡中港側から非貫通湘南型の800型の写真を撮る。反対先頭から撮ろうと回ると、こっちは貫通型で700型のようなスタイルである。800型は3両編成で松山にやってきたが、乗客減で2両編成に改造されたのだ。そのとき運転台が増設された中間車に付いたのがこの700型みたいなデザインと言う訳。

松山市行きがやってきて乗り込む。行きに乗ってきた電車の折り返しである。

途中の古泉か岡田か鎌田で(確か岡田)、前の道路踏切を渡って駅に走ってくる少女が見えた。「多分電車に乗るんだろうな」と思ったが、電車は無情にも扉を閉めて出発してしまった。車掌さんからも、ホームに出ていた駅員さんからも見えない距離だったから致し方ないだろう。

この駅の駅舎、電車から見るとかなり大きく見えた。そういえば昔行った高浜駅もしっかりした造りの大きな駅だった記憶がある。

電車は余戸を出て再び道路と併走する。道路の案内表示に「←松山空港」と出ており、タクシーで空港に行くなら余戸か土居田あたりで降りたほうが近そうだ・・・。だが確認できない。仕方ないので大人しく松山市駅まで戻った。

時間がないのに地下の高島屋改札から抜けて、高島屋の地下食品街を覗く。お昼ご飯にあんぱん一つしか食べていない。さすがに私は橘天音でないので、あんぱんをメインディッシュにしたりデザートにしたりは出来ない。幕の内弁当では味気ないなと見ていくと、「鯛めし(小)」と言うのが目に入った。北海道では鯛めしは食べない。静岡以西でよく見る弁当だ。「これ、なかなかいいね。」と思い購入。「鯛めし」を片手にデパートを散策しているのは、北海道から日帰りで来ている北星・・・(笑)

面白いシチュエーションだ。

デパートの外に出る。まだ余りにも名残惜しいし、やっぱり土居田か余戸からタクシーを使って空港に行ってみたい。地図を見るのにデパート内の書店は・・・と案内図を見たが、案の定7階だか8階だかの上層階で、往復だけで時間がなくなりそう。仕方がないので駅前のタクシー乗り場から小型車の順番を狙ってタクシーに乗った。

「松山空港まで。20分で走ってくれますか?」
「ああ、ええよ。充分だ。」

タクシーは裏道を抜けて走り出した。

運転手さんは年配の人で、話し好きであった。いろいろな話を聞いた。その話し方に松山訛りが滲み出ているようで、そのタクシーに乗ったことで今回の「松山」の色が濃くなった気がした。

たまたま「小型車」で乗ったタクシーであったが、車内に「全日空 マイルがたまります」と掲示してある。おぉ!ここでマイルが貯められるのね。ということで運転手さんに依頼。すると「それじゃぁ、これに書いて」と紙を渡された。そこにマイレージクラブの番号と、ローマ字綴りの名前を書く。そうして運転手さんに返すと、控を取って渡してくれた。え?それで終わり?
札幌でJALのマイレージタクシーに乗ったことがあるが、手書きクレジットカードみたいに「ガチャコン」を通し、カードを写し取っていた。それだけに番号を書いて終わりという簡単な方法にびっくりした。

運転手さんに「北海道から日帰り」と話すとさすがにビックリされたが、「ここは天国じゃろ。」と言われた。実際先週の高松より数段暖かく感じられて、雪の嫌いな私にとっては天国のようである。・・・天国にしちゃちょいと寂しいが(爆)

「北海道は行ったことがないから、定年になったら夫婦で行きたいねぇ。」

彼は松山訛りでそういう感じの事を言った。

裏道を走ったので急いでくれるかなと思ったのだが、松山空港通バイパスに入るとゆっくりになった。信号にも丁寧に止まっていく。

それでも松山空港には16時10分ぐらいに着いた。市街地から近い空港って便利ですねぇ。

市駅で「時間がない!」と思っていたのに結構時間が出来た。どしよっかなとビルをふらつくと「うどん」の暖簾発見!

おお!四国のうどんだ! 迷わず入る。

以前よく高松駅の立ち食いうどんで「じゃこ天うどん」を食べていたが、実を言うと「じゃこ天」は愛媛の名産である。そこで「じゃこ天うどん」を注文した。

う!うまい!!!

いや、まぢで美味いっす。立ち食いなのにこれは美味しい。高松のうどんに劣らない美味さである。やっぱりこのダシがいいね。ダシのうどんは私は大好きだよ。またこの「じゃこ天」最高だね。いいね!これ!

ということで、うどんを食べてもまだ時間のあった私は、隣りの売店で実演販売の「じゃこ天 一枚100円」を2種類10枚ばかり買った。お土産に最適だ。

それでも時間が余ったので、出発ロビーのある二階に上がり、売店を覗いた。「讃岐うどん」が売っていたりするがそれはあまりよろしくない。松山と言えば、先述のまなぐらさんとこにお邪魔した際(1999年か2000年頃)にお土産に「一六名菓撰 坊っちゃんとおかしな仲間たち」を貰っている(空き箱がセンチのトレカ入れとして現役(爆))。だから「やっぱり松山といえば一六本舗だね。」と思い、かなり有名な「一六タルト」を買った。カステラスポンジであんこをくるくる巻きにしたなかなか謎の食べ物だが、大変美味しい。あんこに生柚子かなんかが入っているので微妙に柑橘系の爽やかな酸味がして誠に美味しい食べ物である。



時間となり搭乗。窓側の席に着席する。滑走路に面してでかでかと「ヤマキカツオパック」と看板が立っている。「ヤマキは愛媛のメーカーなのかな?」と思う。結構空港に面した看板には地元の一流企業の看板が立っているものである。福岡空港の「久光製薬」(本社:佐賀県鳥栖市)などは典型例である。(帰って調べたら「ヤマキ」は愛媛県伊予市本社の企業であった)

飛行機は海側に向けて滑走し離陸した後、ぐるーっと回って内陸へ向き直した。石鎚山の南側あたりを飛んでいるらしいのはわかったが、それ以降はどこを飛んだか覚えていない。高松空港が見えたら絶対覚えていると思うから見えなかったのだろう。もっと南を飛んだのかもしれないし、雲の上だったような気もする。

そうして羽田空港に到着。既に19時を過ぎた時間だったはずで暗い。乗り換え時間も少ないのでロビー内にいる。20時発の札幌千歳行きに乗り継ぐのだが、「千歳空港、ただいま天候調査中です。」と放送がかかる。




「着陸できない時は羽田空港に戻ってくる可能性もあります」と恐ろしいことも言われての離陸であったが、無事千歳空港に到着。ゆっくりと国道36号線を走って家に帰ったのだった。


(2003.07.06up)